先生、毒薬を一服盛ってください・・・名医の処方


先生、毒薬を一服盛ってください・・・名医の処方

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From:甲田博之

大阪オフィスより

 

 

精神分析医アルフレッド・アドラーの報告である。

彼はうつ病の患者に対して、決まって同じことをいった。

 

「この処方どおりにしたら2週間できっと全開しますよ

それは、どうしたら他人を喜ばすことができるか、

毎日考えてみることです」

 

 

自分にだけ向けていた意識を

他人の方へ向けるだけで心身のバランスが取れ、

神経やホルモンのバランスがよくなり、

自然治癒力が増し、病気も治ってしまうという訳です。

 

 

こんな話もあります。

名医の処方というお話です・・・・・

 

約300年前のこと。

後藤艮山という漢方の名医がいた。

12時も過ぎたある真夜中、

1人の女性が訪ねてきた。

“よろず屋”の嫁女である。

 

「先生、一生のお願いです。

毒薬を1服盛ってください」

ただならぬようすだ。

 

「なにに使うのか」

「お母さん(姑)に死んでもらうのです」

“よろず屋”の、嫁と姑の犬猿の仲は評判だった。

 

よく心得ていた艮山は、

断ったら嫁が自害する、と見てとった。

 

「よし、わかった」

しばらくして艮山は、

30包の薬を渡し、

神妙にこう言った。

 

「1服で殺しては、

あなたがやったとすぐバレる。

あなたは磔(はりつけ)私も打ち首。

 

そこで相談だが、この30包、

毎晩1服ずつ飲ませるのだ。

30日目にコロリと死ぬように調合した」

 

 

喜んで帰りかける嫁女に、

艮山先生、なおもこう諭す。

 

 

「わずか30日の辛抱だ。

お母さんの好きなものを食べさせ、

やさしい言葉をかけ、

手足をよくもんであげなさい」

 

 

翌晩から嫁女は、

言われたとおりを実践した。

 

1カ月目の夜、いつものようにもみ終わると、

お姑さんが立ち上がり、

驚く彼女に両手をついて、こう言った。

 

 

「今日はあなたに、あやまらねばならないことがある。

今まできつくあたってきたのは、

代々続いた、この“よろず屋”の家風を、

はやく身につけてもらうためであった。

 

それがこの1カ月、あなたは

見違えるように生まれ変わった。

 

よく気がつくようになってくれた。

もう言うことはありません。

今日かぎり、一切をあなたに任せて、

私は隠退します。」

 

 

己の心得違いを強く後悔し、

艮山先生へ駆けこんだ彼女は、

 

 

「先生、一生のお願いでございます。

毒消しの薬を、はやくはやく、作ってください」

 

 

涙ながらに、両手をついてたのむ嫁女に、

艮山先生、大笑い。

 

 

「心配ないよ。あれは、

ただのソバ粉だよ。ハッハッハッ」

・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

人を喜ばせると、自分も喜べる。

誰かを喜ばせることは、

自分をも喜びでいっぱいにする。

どんなに小さな事柄でも、

人を喜ばせることが出来ると、

私たちの両手も心も喜びでいっぱいになるのだ。

 

ニーチェ